~ウルフルズ・メンバー~

トータス松本(vo)
 S41.12.28生まれ
 血液型:A型
 兵庫県西脇市出身

ウルフルケイスケ(g)
 S40.5.23生まれ
 血液型:A型
 大阪府高槻市出身

ジョン・B・チョッパー(b)
 S42.11.4生まれ
 血液型:AB型
 大阪府吹田市出身

サンコンJr.(dr)
 S45.9.13生まれ
 血液型:O型
 大阪府茨木市出身

同企画は雑誌『Weeklyぴあ』『ぴあ関西版』にて隔週連載中です。

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最終回  一緒に帰りたかったんや。

2007年12月2日。ウルフルズは久しぶりに大阪・十三ファンダンゴのステージに立っていた。観客は約200人。異様な熱気、ではあった。しかしそれは、俗に言う“ライブハウス特有の”といった形容詞で表現されるものではなく、どちらかと言うと、目の前で演奏しているのは本当にウルフルズなんだろうか?という驚きにも似たものだった。
ライブ終了後の打ち上げで、トータスはこう漏らした。
「(会場が)もっとエグいことになるんちゃうかなと思ったんやけどね」
さらに、打ち上げの挨拶では、このようなことを言った。
「ファンダンゴは、ウルフルズにとって重要な通過点だった」と。

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12月2日(日)、大阪・十三ファンダンゴでのプレミアム・ライブにて。
1997年の飛び入り参加以来のステージだった。ライブなかばには、
1stアルバム収録の『レコードまわすよ』の演奏も

初めてファンダンゴのステージに立った1988年12月30日から丸々19年、ウルフルズは一度も立ち止まらずに前進してきた。駆け足で、トボトボ歩いて、匍匐前進で。ファンダンゴのステージには、そんな彼らの歴史のはじまりがまずあった。そして、ウルフルズが今も前に進み続けているという現在との距離があった。だからこそ、そこからまた何かが始まるという未来への予感があった。大阪・十三ファンダンゴ、ウルフルズにとって永遠に刻まれるはじめの一歩。でもそれは、はじめの一歩であるにすぎない。ライブ本編の最後の曲は、『ガッツだぜ!!』だった。いつもより少し、テンポが速かった。

                               ●

この連載では、メンバーをはじめ、じつに多くの関係者の方々に取材を行うことが出来た。中には、何時間も話を訊いたにも関わらず、一度も登場しなかった人もいる。あるいは逆に、30分程度の取材で、そのコメントを引用させてもらった人もいる。どちらも、この連載にとっては貴重で、必要不可欠な取材だったという点で同じである。その中で、ずっと引っかかり続けているコメントがある。第1回目に登場した、カンテ中津店の神原博之のものだ。
「たぶん松本君が通るべき花道にたまたまあったのがカンテで、違うところへ行ってたとしてもウルフルズは出来てたと思う」
掲載した時は、その意味をあまり深く考えなかった。しかし、どこか本質を突いてるような、ただそんなような気がして、また、“花道”という言葉のインパクトが強く、第1回目をシメるコメントとして掲載した。そして、連載のタイトルにも、その強力な余韻は反映された。いかようにも取りようはある。ウルフルズは、つまるところトータス松本であり、彼がどの道を歩んだとしても、ウルフルズはあった、という解釈。あるいは、ウルフルズ結成の時に語られる『カンテ神話』のようなものへの否定、ないし謙遜。またあるいは、メンバー4人の運命的で必然的な結びつきを示すための言葉、とも。今、ウルフルズの道のりを辿ってきて思うことは、カンテが『通過点』のひとつであったということだ。ファンダンゴと同じように。カンテでなくとも良かった、わけはない。トータス松本だけでウルフルズが出来たわけは絶対ない。
「俺は、背負われへん。ウルフルズ。それはね、俺が作ったもんじゃないから。ケーヤンが作ったもんであり、サンコンが作ったもんであり、黒田が作ったもんや。ウルフルズっていうもんの考え方、あり方、なにもかも全部。俺は、一人でウルフルズを背負えない。絶対に無理。断言できる。無理やって思うんじゃなくて、無理」
たくさんの通過点の積み重ねでウルフルズがあるのだ。カンテも、ファンダンゴも、泣かず飛ばずの何年間も、ブレイクも、ジョンB脱退も復帰も、東芝EMIも……そして、これから先も。

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12月2日の十三ファンダンゴを前に、メンバー4人は久しぶりに一緒に食事をした。4人だけだと、遠慮の無いむき出しの言葉が飛び交い、時に思いもかけない話題に火がつき、爆発してしまう、ということがある。この時がそうだった。その場の雰囲気は、相当悪いものになり、誰が言うともなく、店を出ることになった。
それぞれ、やり切れない気持ちを抱えながら、三々五々帰路に向かう中、ケイスケがトータスに声を掛けた。
「松本君、途中まで乗っけていくわ」
二人は同じタクシーに乗った。車内で会話らしい会話は無かった。トータスは、途中で車を降り、ケイスケを乗せて走り去っていくタクシーのテールランプを見送った。
翌日、なぜケイスケが帰り際にわざわざ声を掛けたのか、トータスは気になった。酔っ払って記憶は定かではなかったが、もしかしたら、ケイスケに対して何かきついことを言ったのかもしれない、と思った。
トータスは、ケイスケに電話をかけた。
「ケーヤン、昨日なんか言いたいことあったんか?」
「話したいことは、別に無かったんやけどな。……一緒に帰りたかったんや」

(おわり)

(2007年12月20日号掲載)

ウルフルズ近況

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