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The Birthdayツアーファイナル@Zepp Tokyo

最新アルバム『NIGHT ON FOOL』を携え、38公演のツアーを敢行したThe Birthday
4月5日、Zepp Tokyoで行われたファイナル公演は、
とにかくアツかった!


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東京都内で桜がほぼ満開となった4月5日は北朝鮮からミサイルが発射されたとの報道もあって、どことなく慌ただしい空気が漂う一日となった。The Birthdayの「38 NIGHTS ON FOOL」ツアーのファイナルのZepp Tokyoが行われたのもこの4月5日だった。
38本というハードなツアーをやってきたのだから、メンバーそれぞれ、肉体的には限界に近い状態にあったのは間違いないだろう。チバの声のコンディションも決して万全ではないと感じた。でも、だからこそ、彼らの気力、気迫までもが伝わってくる素晴らしいライブとなった。苦境を乗り越え、逆境をバネにしていく。観るものを確実に奮い立たせるパワーが彼らの演奏には宿っていたからだ。


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オープニングナンバーは『まぼろし』だった。チバがマラカスを振り、ヒライのベースがうなりをあげ、クハラのドラムが空気を切り刻んでいく。チバがシャウトし、イマイのギターが入った瞬間に鳥肌が立った。開演してわずか数十秒。これは自己最短“鳥肌”記録かもしれない。つまりそれくらい彼らの演奏はすさまじかったのだ。鍛え抜かれた強靱なグルーヴに体全体が揺れる。いや、体の細胞の1個1個までが揺れそうだ。タイトでソリッドなのだが、深みがある。ハードなサウンドでありながら、幽玄な歌の世界が浮かび上がってくる。こうした奥行きのある歌と演奏からはバンドのさらなる進化がはっきり浮き彫りになる。『ビート』の中の「空がなぜだか エンジに染まるのは いったいどうして」といったフレーズはこの日のニュースともシンクロして響いてくるようだった。不穏な空気を孕んだヒライのベース、立ちのぼる炎のようなイマイのギターも素晴らしかった。演奏中は観客が波のように揺れる。曲間ではメンバーの名前を呼ぶ声があちこちからあがる。

「いいねえ、にぎやかで。にぎやかで行こう」とチバ。相変わらずMCはぶっきらぼうなのだが、その言葉の背後に愛があると感じたのは気のせいだけではないだろう。「桜がきれいだね」というチバの言葉に客席から「桜よりこっちの方がいいよ~!」と声がかかると、チバがボソッと「me,too」。そんなやりとりもいい感じだった。


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ツアータイトルの「38 NIGHTS ON FOOL」は彼らの最新アルバム『NIGHT ON FOOL』にちなんでつけられている。この日も最新アルバムのナンバーはすべて演奏されたのだが、彼らが音楽的にさらなる高みへと進んでいることはこの最新作からのナンバーの演奏で特に顕著だった。『噛みつきたい』での重たいグルーヴや『タバルサ』でのクールでありながら、芯の部分で強烈にスパークするグルーヴのすごさをなんと表現したらいいだろうか。『ローリン』はまさに転がるグルーヴ。ヒライのベースも超ファンキー。引き締まったクハラのリズムも圧巻だった。この曲ではコール&レスポンスもあり。あくまでも削ぎ落とされたロックンロールとして成立しているのだが、その背後には実に様々のニュアンスが詰まっている。だからシンプルに聞こえながらも、深みがあって、懐が深い。ファンク、ジャズ、ラテン、ハウスなどのリズムをそのまま導入するのではなくて、ロックのリズムの中に吸収しているような印象を受けたのだ。


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荒々しくて激しいサウンドなのにチバの歌声、歌詞がはっきり伝わってくるところにも彼らのライブの魅力がある。例えば、『ALRIGHT』の「鉄のカタマリを22発撃ち込まれたけど」といったフレーズもこの日はなんだか意味深に響いてきた。おそらく彼らはその日その瞬間の思いを歌や演奏の中にダイレクトに吹き込んでいるのではないだろうか。つまりThe Birthdayの歌は生きているのだ。だからリアルに届いてくる。ファイナルらしい開放感があふれる『カーニバル』、すさまじい破壊力を備えた『あの娘のスーツケース』などなど、後半も怒濤の演奏が続く。本編最後は『涙がこぼれそう』だった。一緒に歌っている観客がたくさんいる。ステージ上から、そして客席から、たくさんのラブコールが飛び交っていた。アンコールでは彼らが演奏していたマクドナルドのクォーターパウンダーのCM曲も演奏された。これがまたかっこいい。さらに4曲、最後の最後は『45CLUB』。まさにすべての力を出し切っていくようなステージだった。


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観ているこっちまでもが叫びたくなったり、涙があふれそうになったり、へらへらと笑い出したくなったりした。そうした泣き笑いの状態が“FOOL”ということなのかもしれない。彼らのライブは観る者をフールにするパワーを備えている。そしてフールは人に夢や希望をもたらしていくのではないだろうか。ばかげているからこそ、胸が熱くなる。何かがこみあげてくる。終演後のZeppの横の夜桜がきれいだった。夜の闇に包まれているのが気持ち良かった。体の中では強烈なビートがまだ鳴り響いていた。

Text●長谷川誠
Photo●三吉ツカサ


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コメント

ゼップ行きました!かなり濃密なライブで大満足でした。
チバさんの何気ないMCにはいつも心がウキウキします!

ろっこ        2009年4月23日 01:57