LIVElog/@ぴあ | GRAPEVINE with 長田進@SHIBUYA-AX

GRAPEVINE with 長田進@SHIBUYA-AX

東京・名古屋・大阪の3ヵ所で行われたGRAPEVINE、2009年の1stライブ。
プロデューサーの長田進(Dr.Strange Love)を迎えた本ツアー、
3月14日の東京公演には、スペシャル・ゲストにNICO Touches the Wallsが登場。
その熱き一夜の模様はこちら!


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GRAPEVINE with 長田進。
その東名阪ツアー最終日となったこの日はまず、ちょうど1年前、GRAPEVINE恒例のCLUB CIRCUIT全4公演中2公演の対バン相手に選ばれたNICO Touches the Wallsがスペシャル・ゲストで登場。
のっけからアゲチューンでフロアの熱気を急上昇させるNICO Touches the WallsことNICOS<(C)GRAPEVINE田中和将>。
この日は彼らにとって2009年初の東京でのライブということもあり、映画『蟹工船』の主題歌でもある新曲『風人』を初披露するなど、特別バージョンのステージを展開。その中でも圧巻だったのが、光村の伸びやかな歌声とぐんとタイトに削ぎ落とされたバンド・グルーヴに思わず息を飲んだ『行方』。『武家諸法度』で助走し、光村のタンバリン姿も目撃できたラスト曲『Broken Youth』で頂点に達した若々しいパフォーマンスも見応え満点で、去年の対バン時とは段違いに成長したNICOSの“今”が体感できた1時間だった。

そして。
田中和将、西川弘剛、亀井亨の3人+ベースの金戸覚、キーボードの高野勲という、without長田進でGRAPEVINEが登場。
その肩すかしな登場や、『Glare』という意表をついた始まり以上に驚いたのが、いつにも増して伸びやかで圧倒的な存在感を放つ田中の歌声。
9thアルバム『Sing』で確信したシンガーとしての飛躍的な進化を、またもやいきなり見せつけられた、という感じだ。


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「夏ぐらいにアルバムをだそうかなと思ってます。ただいまレコーディング中ですが、来週からアメリカに行って参ります」
田中のMCに次いで披露されたのは、そのレコーディング中の成果であるドライブ感あるみずみずしいナンバーと、アコギを抱えた田中節が染みるメロウネスな新曲2曲。
さらに、『Sabbath』『アナザーワールド』というこれまた意外な流れでオーディエンスを驚かせた後は、「鬼監督!」という田中の呼び込みで、現在絶賛制作中のニュー・アルバムでもプロデュースを務める長田進(Dr.Strange Love)が登場。
計6人で……と思いきやバイン勢はいったん舞台を去り、長田進のソロ・ステージがスタート。
The Bird(長田&根岸孝旨)やDr.Strange Loveの楽曲がブルージィな歌声とギターだけで鳴らされる世界を前にして、もしGRAPEVINEの基盤にある“ブルース”の部分だけを抜き出せば、と想像してみる。
きっと限りなくここに近くなるだろう。
けれど、彼らは今や『VIRUS』や『CORE』のようなポスト・ロックな音を響かせるバンドへと進化を遂げた。
長田×田中×西川のトリプル・ギターで披露された『風-Lun-』も小気味のいいロックに響いた理由はたぶんそこ、だ。


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その後は、長田氏もギターで参加するスペシャル形態でGRAPEVINEタイムに再突入。
『エレウテリア』→『VIRUS』で緊迫感ある音の渦へと観客の意識と身体を巻き込んだかと思えば、今度はステージ上でほど良くビールを摂取した田中のアコギを合図に『KINGDOM COME』で各プレイヤー魂を炸裂させていく。
さらに『FLY』で長田×田中×西川×高野の4台のギターが絡み合うすさまじい場面を見せつけ、『CORE』→『B.D.S.』でフロアの熱気を沸点まで上げきったところで本編が終了。


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お待ちかねのアンコールでは、GRAPEVINE+長田進に加え、NICOから光村龍哉+古村大介が参戦し、ローリング・ストーンズの『Undercover of the Night』をセッション。
途中、タンバリンと歌詞カードを手に熱唱する光村に、自分のギターを預けて弾かせる田中。
去年のCLUB CIRCUITで西川のエフェクトをいじって喝を入れられた古村は、今夜は長田のエフェクトにちょっかいを出している。
そういえばアンコールでは互いのバンドTを着合うバインとNICOだが、この日は長田進もNICO Tを着用。
そんな微笑ましいひとときの後、「最後に1曲だけやらせてもらうね」という田中のMCを挟み、バイン+長田で披露されたのは、『Everyman,everywhere』。
その美しく圧倒的な唯一無二のバンド・サウンドを前にして、これこそがGRAPEVINEの魅力なのだとつくづく思う。
もちろん、GRAPEVINEにとって歌詞も極めて重要なファクターだ。
けれど、もはや彼らはそこを超え、無限に形を変えながら、なおかつ強烈に聴き手の感情を揺さぶる“音”を鳴らせる希少なバンドとしても、きちんと評価されるべきだと改めて思う。


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冒頭のMCで田中が言っていた「来週からアメリカ」とは、テキサス州オースティンで開催されるミュージック・ショーケース『SXSW 2009』と、NYとブルックリンで行なわれるライブに出演するためのこと。

結成15年超の貫録という言葉だけでは収まりきらないGRAPEVINEの神髄がどう評価されるか?! その答えはもうすぐそこにある。


Text●早川加奈子
Photo●鈴木 親

★5月27日(水)にはニュー・シングルをリリース予定!

>>GRAPEVINEの公式サイトへ

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