LIVElog/@ぴあ | スピリチュアライズド来日公演@duo music exchange

スピリチュアライズド来日公演@duo music exchange

ニュー・アルバム『ソングス・イン・A&E』を携えて、
スペースマンことジェイソン・ピアース率いるスピリチュアライズドが待望の単独来日。
1月23日(金) duo music exchangeで行われたステージの模様をお届けします!


090128_spi01.jpg

昨年の<サマーソニック>で健在ぶりを見せつけたスピリチュアライズドが待望の単独再来日。
制作中にリーダー、ジェイソン・ピアース(vo&g)が重病に倒れ生死の境をさまよう危機から帰還して完成させた新作『ソングス・イン・A&E』をひっさげて満を持しての登場だけに、期待に違わぬ素晴らしいライブとなった。
世知辛い現実を離れ、こことは違う別世界に漂うような至福の2時間。何度か来日しているが、個人的には98年の初来日時に匹敵する感動と興奮だった。


090128_spi02.jpg


過去にはホーン6台ギター3台を含む12人という極端なバンド編成で来日したことがあるが、今回は女性コーラス2名を含む7人。管も弦も含まない比較的シンプルな編成だが、彼らの音楽の破格のスケールを再現するには十分すぎるほど。
ジェイソンはフロントマンなのにステージ中央ではなく上手側に立ち、客席ではなく下手側のバンド・メンバーのほうを向いて歌い演奏する。終始濃いサングラスをかけ表情はうかがえず、歌う以外は口を開かない。その様子は一見、まるで客とのコミュニケーションを拒否しているようでもあった。
VJもなく照明も簡素で、これ見よがしの演出も一切ない。だがこれは、派手なヴィジュアルやアーティストの見た目やキャラクターに注目するのではなく音楽に集中して欲しいという彼らのメッセージなのだ。


090128_spi03.jpg


ロック、フォーク、カントリー、ソウルやゴスペルなど黒人音楽からオールド・タイミーなポップスまで、幅広く豊穣な音楽性、そこから溢れ出る美しく切ないリリシズムと情感。ゴスペルに根ざした生々しく激しい身体感覚と、まるで宇宙空間を浮遊するかのような非現実的なサイケデリック感覚が渾然一体となって押し寄せてくる。
大作「Cop Shoot Cop」の、肌が泡立つような高揚感と混沌としたエネルギーのすさまじさ。エルヴィス・プレスリーの「好きにならずにいられない」を歌い込んだ「Ladies and Gentlemen We Are Floating In Space」の美しさ。素っ気なくも思えたジェイソンのそぶりから放たれる感情の揺れは、どんなアーティストよりも雄弁に生々しく伝わってくる。
最初はやや静かだった客席も、ショウの進行に連れ加速度的に熱を帯びていく。新作のほか人気の高い中期の傑作アルバム『宇宙遊泳』からの曲が多く演奏され、さらに会場は陶酔と歓喜の渦となった。


090128_spi04.jpg


アンコールが終わり、初めて客席の方を向いて、少し照れくさそうに手を振るジェイソンの表情には、音楽だけですべてを伝え観客と一体化できた手応えと充実感が感じられた。
最高の夜だった。


Text●小野島 大
Photo●TEPPEI

>>来日ラッシュ特集の記事を読む

トラックバック

トラックバックURL: